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まさし君は保育園に通っている少しひ弱そうな負けず嫌いの少年です。本当は可愛くないところも有りますが、周りからは概ね"よいこ"の評判を頂いています。お母さんは髪を金茶に染めて今でも短いスカートとハイヒールをはいて何時も一番きれいで目立っています。まさし君はそう思っているのです。"歩いた後にパンパラパンパ〜ンと音がする"みたいな陰口を叩かれていますが、まさし君にとっては唯一の、そして自慢のとても優しいお母さんです。
お父さんは居ませんし、まさし君は憶えていません。でも聞いた話ではまさし君が2歳になる前に他所に女を作って出て行ったそうです。御土産に高利貸しの借金とまさし君を置いて・・・。

月に一度お母さんはまさし君を連れて坂の上の高利貸しのところへ金利の返済に行きます。何でもお母さんは"SMフーゾク"と言うところを2件掛け持ちで働いていると言うことでとても金回りが良いらしく、その帰りにまさし君にお菓子やおもちゃを買ってくれます。だからまさし君はこの日が大好きですがお母さんは何だか憂鬱そうです。"ア〜っ、化粧のノリが悪いヮ。"とか言って持っているお化粧品を壁に投げたりします。そんな時まさし君は見て見ぬ振りをして今日買って貰う物の事を考えたりするのです。

高利貸しのおじさんも最近はお母さんに愛想良く"ガンバってるね〜。"とか言っていますが、まさし君の記憶では、以前に一度お母さんが随分怒られていたような記憶が有ります。その日高利貸しの家を出た後お母さんは泣き顔で"ジジィ。死んじまえ〜!"とそう小さくない声でつぶやいていました。


母がまだ、若かった頃
幼い僕の手を引いて
この坂を登るとき
いつもため息をついた
運が好いとか悪いとか
人は時々、口にするけど
そう言う事って、確かにあると
あなたを見てて、そう思う。
偲ぶ偲ばず、無縁坂
噛みしめるように。
ささやかな僕の母の人生・・・・・・・・例によってうろ覚えです。

場外乱闘