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場外乱闘
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 番外編 リーサルウェポン あずみ 


「動く・・・。」

と、言った瞬間、男は包丁を突きつけた形のままで後ろに、つまり玄関風除室の自動ドアまで吹っ飛んでいた!ガラスに頭蓋骨が当たった、『ゴン!』と、言う鈍い音が聞こえたので脳しんとうでも起こしているに違いない。

「マテー!」と、追いかけてきた警備員も、警棒を振り上げた様な格好のまま、今度は左側へ吹き飛んでいた。

静かな様子の、あずみが二人を見下ろし立っていた。


 男に飛び蹴りをくれてやると、何も知らずに追いかけて来た警備員に、・・・何も知らないあずみが・・・この、何も知らずに反応する様に動いてしまう所が、『リーサルウェポン あずみ』の本当に凄くて、怖い所なんだけど・・・、男への飛び蹴りから着地しながら、今度は左脚で凄いスピードの回し蹴りを飛ばした。もちろん警備のオジさんに蹴りはクリーンヒットしたと思われる。

二人の男は動かない!事態はある意味、沈静化している。それを確認する様に、あずみは数秒をおくと、「キャッ!」と顔を押さえて、自室に隠れてしまった。

何が「キャッ!」や?お前がヤッタンやないか!

パトカーがやって来たのは、例によって暫くしてからである。誰かさんが言う所のある種の暴力装置は、いつも通り急場に間に合わない。素敵な暴力装置なのだ。ゼーキン泥棒とののしられても仕方ないか?

何でも男は近くの金融機関で、30数万をかっぱらった挙げ句、・・・普通、銀行強盗だったら何千万、何億だよナァ、その額だったら、コンビニ強盗でもやれば好いのに、とか思っちゃいますが、取り敢えずソウであったらしい。帰りにトイレに行きたくなって、夕焼け小焼け病院に入って、・・・どうも あずみに出くわしたらしい。ヤレヤレ志し低く運の無い奴である。

しかしすぐ動かすわけにも行かず、たまたまそこが病院であったので、間抜けな犯人と、この場合の被害者、警備のオジさんは、緊急入院する事になった。

簡単な取り調べはその場で始まった。こんなバカバカしい事件に何時までも関わってはいられない。暴力装置もプロなのだ!

犯人はどうやら頭を強打しているので、巡査に付き添われてCTスキャンを撮っている。その間オジさんとケーサツのオイちゃんは、簡単な事情聴取を行う。ドウやら警備のオジさんは右腕を骨折した様でギブスをしてベッドに寝ている。

「イヤァ、この度は大変でしたナァ!」

「あの女先生凄いですね。僕、若い時空手をやっていましたから、とっさに右で受けたら、この様ですヮ。ヒョッとしたら受けなかったら寸止めしてくれたかもシレンナァ!犯人だって、包丁を振りかざす隙も与えず、スッ飛んでましたからネェ!アレ、ヒョッとしたら加減していたかもシレンナァ!・・・もし空手技で、まともに行ってたら、どこか壊れてるかもシレン。・・・あの人凄いですヮ!」

そんな調子で事情聴取は2〜30分続いたが、最後に

「所で、パンツの色は何色やった?」
「ベージュやったと思いますが、なにせ、とっさの事ナンで、ハッキリ覚えてませんが。・・・関係有るんですか?そんな事。」
「イヤ何、その時どのくらいの気持ちかと思って。」
「そんなユトリなんか有りませんよ!」
「そらソーやな。スマン、スマン。」

責任者の芸戸教授が病室にやって来た。

「ここの責任者の芸戸と申します。この度はウチの職員が、事情はあったにせよ、アナタをこんな目に会わせてしまい申し訳御座いませんでした。」と、ベッドサイドで深々と頭を下げる。

「つきましては、医療費はこちら持ちで、診断書もアナタのご都合の良い様にしますので・・・。」

「2ヶ月ほど休めますかネェ?」
「仰せの通りに・・・。」

「ヤッタァ!」

「この度は申し訳有りませんでした。」
と、芸戸教授は帰りかけたが・・・。振り向くと、

「所で、パンツの色は何色でした?」
・・・・・「イヤ、とっさの事で、解りませんでしたが。」・・・(オマエもかい!)