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場外乱闘
胎内記憶:幼児の3割が鮮明に語り 横浜の産婦人科医が調査

 お母さんのおなかの中にいた時のことを覚えていますか? 横浜市の産婦人科医、池川明さんは、幼児を対象に胎内記憶の調査を続けている。実際に記憶があるのかどうかは証明できないが、3人に1人は「覚えている」と答え、胎内の様子を詳しく再現する回答も多い。池川医師は「胎内記憶の有無ということではなく、おなかにいた時のことを一緒に語り合うことで親子関係を深めてほしい」と話している。【小川節子】

 ◇おなかの中は暗くてあたたかかった

 ◇「親子関係深め、良いお産見つける手掛かりに」


 調査は02〜03年、長野県諏訪市と塩尻市の36保育園と2幼稚園で、1620人の子どもを対象に行われた。平均年齢は4歳で、親の平均年齢は34歳。それによると、33%の子どもが「胎内記憶」があると答え、21%は「誕生記憶」もあった。記憶を語った時の年齢は2〜3歳が多かった。

 アンケートに寄せられた回答は「暗くてあたたかかった」(2歳、4歳男児)「水の中に浮かんでいた」(3歳女児)「ひもでつながれていた」(2歳女児)「おなかの中は暗くてきゅうくつ。ママの話し声がよく聞こえた」(4歳男児)など。

 生まれる時の記憶にも「暗くて苦しかった。その後泣いたんだよね」(3歳男児)「パンとなった。光った」(2歳女児、お産は破水から始まった)「まだ眠くて寝ていたかったのに、起こされちゃったよ」(4歳女児)など臨場感のあるものが多かった。

 池川医師は「母親が聞くと、次から次へと話し始める。最初は私も信じられなかったが、子どもの話を聞くうちに無視できなくなった」と話す。

 池川医師が胎内記憶に関心を持ち始めたのは7年前、助産師から小学1年の孫が書いた作文を見せられてからだ。作文には「ぼくがおかあさんのおなかにいるときに、ほうちょうがささってきて、しろいふくをきためがねのひとにあしをつかまれて、おしりをたたかれました。こんどはくちにゴムをとおしてきて、くるしかったのでないてしまいました」とあった。

 実際にこの子は逆子で帝王切開で生まれており、他の幼児からも聞き取りを進めた。出産時「痛かった、苦しかった」と話す子どもの声に、陣痛促進剤、鉗子(かんし)、吸引、予定分娩などといった今のお産のシステムでいいのか、疑問も持つようになったという。

 池川医師は「胎内記憶が実在するかどうかは証明できないが、語り合うことで家族関係の見直しや、良いお産とは何かを見つける手掛かりにしてほしい」と話している。

 調査結果は池川医師の著書「赤ちゃんと話そう!生まれる前からの子育て」(学陽書房・1470円)に詳しく掲載されている。

毎日新聞 2006年6月5日 東京朝刊